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2007/03/29

追想記その3 いっぱい観た

観すぎると、おなかいっぱいになって、純粋に音楽が自分に入ってこないのは、もう何度も経験しててわかってたつもりだけど、やっぱり観ずにはいられない・・・インドのアーティストの演奏の数々・・・

ひとりずつ名前を挙げて、感想を書いても意味がないので、よします。

感想はひとりひとりのものですし。

確かな事は、どんな奏者のどんな演奏であれ、学ぶ事があった、ってことです。

嫌いな奏者とか、いないんです。皆それぞれの音楽人生に思いを馳せずにはいられない。それぞれの努力とひたむきさ、音楽を愛する心に感じ入ることしきりでした。

そりゃ、中には、どうかなぁ、と思うステージもあるんですが、その人の音楽との係わり、境遇が音に表れている限り、やはり興味が沸いてくる。

師や自分と違うスタイルのシタール奏者、または同じスタイルのシタール奏者、今回なぜか観る機会の多かった幾多のサロード奏者、やはりダイレクトにラーガが伝わってくるボーカルの大御所たち、他にも、バンスリ、サントゥール、バイオリン、ギター、サーランギ・・・そして、それらをサポートする、それぞれ個性豊かなタブラ、パカワジ、ハルモニウム・・・

ああ・・・お腹いっぱい・・

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でも・・おかわり・・

ラーガで言えば、50こくらい観たと思う・・
奏者は、40人くらいかなぁ・・いや、もっとかも・・・

自分の演奏技量、知識、感性、足りない事を思い知らされる事もままあるのですが、それだけに、目指す至高があるというのは、なんというか嬉しい事です。

今自分が歩んでいる道の先に、同じ道を歩んだ人達がいる。
実際には、道のりはひとそれぞれ違ったりするんだろうけど、目指すものは、案外近いところなのかも。

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そんな事を考えながら、終演後、道ばたでチャイをすすってました。

音に携わる人の数だけ音楽があります・・

その何れにも敬意を表したい。

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2007/03/26

追想記その2 ボーカルレッスン

いきなり説明文調にはじめてしまいますけど、僕のやってるインド古典音楽ですが、すべての基本は詠唱(うた)にあります。
そもそもヴェーダ(紀元前1000年頃から編纂されたバラモン教の聖典)の詠唱をルーツとし、長い年月を経て、単調な節回しから、複雑な旋律体系が整えられ、神々へ捧げる音楽として発展してきました。

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シタールの表現、演奏の展開、すべて唄う心がなければ、弾くことはできません。すべての器楽(リズム楽器のタブラでさえ)がそういった唄の模倣を目指しています。
やはり、唄うことなくして、インド音楽の修得を目指すことは不可能と言っていいと思います。
アミットロイのレッスンでも、師がまず唄い、それを僕らはシタールで真似て弾いて進められる事が多いです。

ってな訳で、コルカタにても、ご縁があり、ボーカルの師匠のレッスンを受ける事ができました。
インド数千年の歴史を数ヶ月でマスターするのは到底無茶ですが、基本練習の仕方を教わり、毎朝発声練習から一日が始まる生活を始めるだけでも有意義なものでした。

師はJainul Abedin。ムスリムの方です。
サンギートリサーチアカデミーの指導者も務める方で、多くのインド人の生徒を持っています。
僕のレッスンの前に、6才くらいの女のこもいたりして、かわいい声で一生懸命さーれーがー、ってやってたりします。すごいです。負けてました・・僕。

いわゆるボーカルを習う、というのは、インドの民謡を皆で歌う、なんていうのとは、趣が違います。
まずは、徹底的な音階練習、発声を繰り返し、自分の体を楽器にする事から始められます。器楽もそうなんですが、曲を教わるのは、そういった基本を半年、一年繰り返した後なんですね。

まぁ、はっきり言って退屈な作業なんですが(笑)、そういった一見退屈に思えるひとつひとつの音に、意味が見出せた時に、初めて音楽が始まるんです。

僕は、ベンガル語の単語いくつかしか知らないし、師も英語がそんなに得意ではないのですが、インド人の兄弟弟子やタブラ伴奏の方々に助けて貰いながら、週2回くらいずつ丁寧なレッスンを受ける事ができました。

冒頭の写真は、インド政府主催のコンサートのときの師の演奏です。
ヒンドゥー的なものより、よりイスラム的なものに惹かれる僕好みのボーカルパフォーマンスにすっかりやられました・・・

名古屋に戻り、部屋で唄ってると、ご近所に”また変な音が聞こえる・・”と思われそうなこの頃ですが、まあいいや。

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2007/03/20

追想記その1 コルカタでの演奏

数回に分けて、今回のインド滞在の報告を書こうと思います。
お時間ある方、お付き合い下さいな。

1/1~3/12までの今回のインド、たぶん7回目の渡印でしたが、アミットロイに師事し、日本で練習生活を初めてからは2度目なんです。
それ以前はギター抱えて、都市部を避けるような旅をしておりましたが、今回初めてコルカタにて長期滞在する事ができました。

師の生家を訪れ、たくさんのコンサートを観ることができ、とても充実した日々でした。

僕にとってのコルカタ(旧カルカッタ)は、何と言いますか、とっておきの都市で、音楽的に成長した後、ゆっくり滞在したいとかねがね思ってました。
それまでのインド音楽的体験はほとんどバラナシです。
充分に成長できてるかどうかはわかりませんが、今回それが実現でき、とても嬉しいのです。

なにより感慨深いのは、コルカタで初めて演奏の機会を持てた事です。

3/10日本語会話協会主催のイベントがKALAKUNJというホールで行われ、そこでゲストとして演奏させて頂きました。
1月にザキールフセインとプルバヤンチャッタルジーとが最高の演奏を繰り広げた、KALAMANDIRの下のフロアにあるホールです。それだけでもなんか嬉しい・・
カタックダンサーの廣光恵さんがアレンジして下さいました。

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タブラの伴奏はモロイバネルジー氏。人柄の良さが音にも表れる、正確かつパワフルでラーガにとけ込むような素晴らしいタブラ奏者です。胸を貸して頂きました。
アナウンスで、師のアミットロイ、その師のニキルベナルジーの名前と共に、僕の名前が紹介されると、師たちの名前を汚すわけにいかない、と自然に気合いが入ります・・
ひとつひとつの音に気持ちを集中し、派手でなくてもいいから、練習してきた事をしっかり弾こうと心がけました。

続いてのステージでは、恵さんの伴奏に参加。
Image188iタブラのモロイダーと僕とに加え、ボーカルとハルモニウムにシャンカールチャクラバルティ氏、そしてボル(カタックのステップを声で唄う)で、恵さんの師のスラバニバネルジー女史、というそうそうたるメンバー。
シャンカールダーの唄はほんとに美しかった・・
そして、スラバニさんは日本で何度もステージをみせて頂いた、素晴らしいカタックダンサーでもあります。
もうね、光栄ですよ・・
主役の恵さんは、もうコルカタに何年も留学し、がんばっている方で、それだけにそのカタックも芯が強く感じられ、惹き付けるものがありました。
あのどたばたのインドの段取りの中、しっかりと自分のパフォーマンスをこなすって、結構大変だと思うんですよ。コルカタでの暮らしぶりを垣間見ても、なんかかっこいい方。

そんなこんなで、僕らのステージは終了しましたが、終演後、たくさんのインド人から、話しかけられ、良き感想を頂けたのが、何より嬉しかったです。
警備のおっちゃんまでもが、なかなかよかったぞ、と握手を求めてきてくれました(笑。

恵さんからのメールでは、後日、違う場所で、「メグミヒロミツよね?こないだのパフォーマンス良かったわよ、コーキヨシダの演奏も良かったわ」 と名前まで覚えてくれてた方もいらっしゃったそうです。
まぁ、わざわざ悪い感想を言いに来る方もいないかもしれませんが、ありがたいことです。

今まで、日本からのポートシティであるがゆえに、渡印の度にいち旅行者として訪れてはいたコルカタですが、演奏者としてステージに上がれた事、やはり記念すべきことでした。

またがんばろっと・・

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2007/03/15

帰国したら・・

・・寒い。

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なんてこった・・
インドでは、今年の日本は冬がないとか、桜が咲き始めてるとか、さわやかな情報が入ってたのに・・
一昨日までは、夜でも扇風機回してたのに・・
なんてこった・・

 すっかり体が夏モードなので、適応までにしばしかかりそうです・・

あああ・・それにしても、充実した実り多いインド滞在でした。

向こうでお世話になった皆様、改めて感謝申し上げます♪

メールなど頂いてました皆様、間もなく返信させてもらいますね。

向こうでの滞在記など、少しずつUPしてゆきますので、お暇ある方は、また是非ご覧下さいませ。

ああー、寒い、トイレが近いです・・・

ちょっとしてくる・・・

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