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2007/03/26

追想記その2 ボーカルレッスン

いきなり説明文調にはじめてしまいますけど、僕のやってるインド古典音楽ですが、すべての基本は詠唱(うた)にあります。
そもそもヴェーダ(紀元前1000年頃から編纂されたバラモン教の聖典)の詠唱をルーツとし、長い年月を経て、単調な節回しから、複雑な旋律体系が整えられ、神々へ捧げる音楽として発展してきました。

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シタールの表現、演奏の展開、すべて唄う心がなければ、弾くことはできません。すべての器楽(リズム楽器のタブラでさえ)がそういった唄の模倣を目指しています。
やはり、唄うことなくして、インド音楽の修得を目指すことは不可能と言っていいと思います。
アミットロイのレッスンでも、師がまず唄い、それを僕らはシタールで真似て弾いて進められる事が多いです。

ってな訳で、コルカタにても、ご縁があり、ボーカルの師匠のレッスンを受ける事ができました。
インド数千年の歴史を数ヶ月でマスターするのは到底無茶ですが、基本練習の仕方を教わり、毎朝発声練習から一日が始まる生活を始めるだけでも有意義なものでした。

師はJainul Abedin。ムスリムの方です。
サンギートリサーチアカデミーの指導者も務める方で、多くのインド人の生徒を持っています。
僕のレッスンの前に、6才くらいの女のこもいたりして、かわいい声で一生懸命さーれーがー、ってやってたりします。すごいです。負けてました・・僕。

いわゆるボーカルを習う、というのは、インドの民謡を皆で歌う、なんていうのとは、趣が違います。
まずは、徹底的な音階練習、発声を繰り返し、自分の体を楽器にする事から始められます。器楽もそうなんですが、曲を教わるのは、そういった基本を半年、一年繰り返した後なんですね。

まぁ、はっきり言って退屈な作業なんですが(笑)、そういった一見退屈に思えるひとつひとつの音に、意味が見出せた時に、初めて音楽が始まるんです。

僕は、ベンガル語の単語いくつかしか知らないし、師も英語がそんなに得意ではないのですが、インド人の兄弟弟子やタブラ伴奏の方々に助けて貰いながら、週2回くらいずつ丁寧なレッスンを受ける事ができました。

冒頭の写真は、インド政府主催のコンサートのときの師の演奏です。
ヒンドゥー的なものより、よりイスラム的なものに惹かれる僕好みのボーカルパフォーマンスにすっかりやられました・・・

名古屋に戻り、部屋で唄ってると、ご近所に”また変な音が聞こえる・・”と思われそうなこの頃ですが、まあいいや。

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コメント

まぁいいよ。ちょっとくらい近所迷惑でも(^-^)こーきさんが歌うところ聞いたことないなぁ。
私もやりたいんですよね、歌。趣味でね。
でも言葉がなぁって思うとなかなか手が出せない。そのうち教えてくださーい!

投稿: atsuko | 2007/03/27 23:22

◇atsukoちゃん

おかえりー。そーだね、やった方がいいでしょ。カタックも歌心なくしてアビナヤは踊れないかと。
言葉も大切ですけど、ラーガを理解する為には、必ずしも言葉は必要ないです、って、タラナ(意味を持たないリズミカルな歌詞で唄う楽曲)やってるから分かってるよねぇ。
じゃあ、今度一緒にやるとき、うたでラハラします。”(7から)おふくろさんよ~おふくろサン(サム)~”・・・いい?

投稿: こ | 2007/03/28 03:34

 ん?私もこーきさんの歌を聞いたことがないよ。聞きたい♪

投稿: 葵;choco | 2007/03/29 16:14

◇葵;chocoさん

よく唄ってるつもりですけど、まぁ、そんなに人にお聞かせする機会はありませんからねぇ・・車とか一緒に乗ってるとうたいだしますよ、ぼく。

投稿: こ | 2007/04/02 20:11

でもいいよ。こーきさんちは2階とかに人がいるようなアパートちゃうし。隣って言っても、あまり人いなさそう。元々2世帯分
うちはバリバリ上も隣もいるよ。まぁ結構仲良くしていただいているし、たまにシャン子にケーキ買ってくれるくらいだけど。

シタール弾きながら歌ったらすごいよね。

投稿: SHAZIA | 2007/04/03 11:12

4月からコルカタで古典音楽習いたくサンギート・リサーチ・アカデミーを知人に薦められて検索したら日記みつけました。その学校に突然行って歌習えますかねー?4月からコルカタ無茶苦茶暑くなると聞いて不安です。。堪えられなくなったらリシケシに逃げます。

投稿: ゆみこ | 2011/02/02 22:58

ゆみこさま

このような書いた本人でさえ、忘却しておりましたエントリにコメント頂きまして、ありがとうございます。
おっしゃる通り、4月は酷暑ですね。もし可能で有るならば時期の変更をお勧め致します。6月になれば雨が降りだし、若干涼しくなるものの、今度はコルカタっこ曰く”Everything Dirty”の時期に突入します。とはいえ、お強い意志があれば、なんとかなるかもしれませんので、可能であればという話です。
SRAですが、僕は、プライベートで、自宅にて先生から直接教わっておりました。ですので、SRA入学についての知識も経験もないのですが、友人にその辺り聞いてみることはできるかと思います。必要であればおっしゃって下さい。ただ、結構しっかりとした機関なので、いきなり行っても難しいのでは、と思います。
とはいえ、そういった行動力があれば、「じゃあこの先生を訪ねてみろ」といった流れになるのがインドではありがちなので、トライしてみてもいいかもしれません。心から求めれば与えられるんですよね。
ご健闘をお祈りしてます。がんばって下さい。他にお役に立てることがもしあれば、直接メール下さっても構いませんです。

投稿: ◆こ | 2011/02/04 02:16

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